2008年07月17日

東方永夜城日記・4

今日も東方絵である。だいたいチャットしながら描くので、入る前のログなど見つつ入室。

「なんか異様に豪華な宿題が進行してます」
「ものづくりの楽しさを、子供の頃にちゃんと知っておくのはとてもよいと思いますよ。しかも協業ってとこがまたよい」
「うに、基本的にそーゆースキルを得にくいタイプ(アスペルガー)なんで、余計に一緒にやっていただけるのがありがたいですよ」


天野入室


「とくそんさん、ごくろうさまです」
「いえいえ、わし自身はほとんどなーもしてませんよ」
「わたし思ったんですがとくそんさん」
「はい」
「これだけダメ出ししてもらったクライアントは、はじめてかも」

実は、この間に描いては指導、描いては指導が何件もあったりしたのだ。

「いやー、ユーザーの声なんて全部きいてたらきりないですから」
「豊富な経験から来る御意見ありがとうございます」
「いや、天野さん自身、彼(twoさん)の方向性とか、東方をあまり知らないとかで、掴みにくいとは思います」
「東方は不思議な世界だからなあ」
「公式情報が、実はけっこう力ないし」
「そう!東方って公式情報が薄い!
「同人の中で決まってきている部分が大きいですよ。暗黙の了解というか」
「公式資料として出てるのは確かに少ない」
「物語はユーザー側に発生する」
「個々の関係性なんかは、ゲーム中からも十分よみとれますが」
「そのへんの隙間を、全部同人で埋めているのが東方というジャンルと認識してます」
「その設定の少ない上に、御子息の一枚目の指定が『後ろ姿』だってのが、もう最初から躓(つまづ)かされまして。これは手強い、と。結局、公式設定画がないので、コスプレ衣装の通販サイトにあったバックビュー画像を参考に描きましたよ」

そうこうするうちに、修正稿ができた。



たしか文字位置とかの修正指導がはいったものだったと思う。

「素直にtwoがうらやましい。これでゲーム作れるってのは良いなあ」
「この絵を描いてるとき、いちばん楽しかったのが月のクレーターを塗っているときだったという」
「そーなのかー」

「ときに、東方は公式設定が薄いから、なんでもアリ?」
「なんでも、では無いと思うけど緩く広いと思う」
「『ミスティアが焼鳥屋でヤツメウナギを売ってる』等、ネタの多さが素敵などと」
『彼女たちがやってるのは遊びです』という公式設定すら『あれは神主が逆説的に言ってる』と『本音』で、解釈がむちゃくちゃ変わるし」
「その緩く広い世界を、手探りで絵に描くというこの作業が、実にスリリングで」
「ふむ」
「なんかとんでもなく見当違いな所を掘ってないかとか、この道10年のベテランから言わせれば許せないような勘違い絵が出土しやしまいかと」
「あはは」
「でも、その反面とても楽しくもあります。公式、あるいはゲーム動画で見る台詞などから伺い知れる内容より、今回に限って言えば、小学生の語って聞かせてくれる『えーりん観』のほうが参考になるという点とか。彼の頭の中にうかぶ映像を具現化するという目的があるので、よけいに」
「お手数かけます」
「いや、実に的確なダメだしをしてくれますよ。たぶん、自分の画像を具現化するということに対して真摯なんですよ。あと、なにより素直です」
「それをちゃんと伸ばしてやらないといけないので。このあと『それだけで乗り切れないことがある』ってこととの整合性をどう伝えるか、とか難しいことが山ほど」
「苦労しつつも、文章で分かる指示を出してくれるところとか、有望かと」
「こんなチャンス滅多にないので、がんばれーとやってます」
「わたしも、すごく楽しんでまぜてもらってますよ」

チャットしつつ、絵はできあがっていった。








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