あなたにお茶を

tea for you

(2005.01.04 upload)
(2004.08.27 finished)




夜想曲で、2004年夏の一時期トップを飾った絵です。

「まどあかり」 「階段メイド」 につづく黒背景メイド絵の第三弾ですが、これ毎年夏に描いてることにさっき気がつきました。いや、だからどうしたというわけでもないのですが、毎年へたすると半年ちかく放置されているのが夜想曲のトップページ用絵であるにもかかわらず、今年は同人誌の宣伝もあり、早々に退散した思い出薄い一品です。


はなれにある御主人様の書斎か、あるいは中庭をはさんだ仕事部屋に、お茶をはこぶメイドさん。
ここだけメイドの趣味が爆発しているおそらくは手製のティーコゼ(ポットの保温用カバー)、邪魔にならないようちいさく作った一口サイズのサンドイッチ、見えてませんが愛用のティーカップ、それらを運んで来る様子が、窓を二枚透した向こうに見えます。

仕事が一段落して、さあ休憩と窓の外を見たとき、完璧なタイミングで現れる彼女の姿に、御主人様もビックリ・・・とゆーよーな絵。


この絵も、先の二枚同様に製作過程の区切りごとに画像ファイルとして別名保存し、その都度トップにさらして更新しようと思いましたが、何日も跨(また)ぐほど時間もかからなかったため、一気に公開されてしまいました。


以下、製作途中での保存画像と、その解説を。(
製作環境:PowerMac G4 450・WACOM FAVO・Painter7






実家にちょうどこんな感じの空間があったので、その記憶を参考にアタリをとる。

前の二枚がお屋敷だったことを考えると急に貧乏くさくなっている気もするが、生活感のあるメイドさんもホッとするというもの。

うすい鉛筆線で、手前と奥にあるふたつの窓のパースを探る。
 
壁に線が隠れてしまっても、構造が把握できるかどうか、実際に使う線のみを描きだしてみる。

メイドさんの絵は、このとき前に描いた人と共通の髪型だった。


そして、実はこの段階から一ヶ月近く放置されることになる。
次にこのファイルが開かれたのは、8/27のことであった。

たぶん、同人誌の作業が重なったためだと思う。



ファイル作成からの所要時間:20分
 
メイドさんを描いてみる。
今回のイメージは「ネコ」
でも、ネコミミメイドというのはいくらなんでもアレな上に手垢がついたネタなので、ヘッドドレスを耳っぽくして誤魔化した。
髪型はネコから連想して一部が由乃さん。
エプロンの裾は、当時ハマりにハマッていた「ホイホイさん」から影響を受けている・・・というほどのものでもないか。


最初は洋風の家、もしくは彼女が歩いているところを渡り廊下風にしようと思っていたので、ここでは靴を履いている。

顔が左向きなのは癖。実際には反転して使う。

 
放置していた絵とメイドさんを組み合わせてみる。
位置や大きさなど、試行錯誤に時間を取られた。

背景を描いてから一ヶ月、そしてメイドさん自体適当に描いたので、角度とかが合わないのも道理である。

結局、メイドさんの方にあわせて、家の方のディティールや角度を変更した。



こんなもんかとどうにか合成できるまでの所要時間:45分
 
上の絵では、目を引くポイントであるメイドさんが画面の左に寄りすぎているため、全体のバランスをさらに変更。

ところで、縮小によるドット位置のせいだろうが、このときのメイドさんは進行方向をみているように思えるのが面白い。


拡大縮小駆使しての所要時間:10分
 
ズバぁンとストレートかついいかげんに色を塗る。
実家のサッシ枠は黒だったが、やはり和風にしたいと思い木肌調に。

逆光で黒くなっている手前の窓枠も塗りつぶす。

所要時間:12分
 
基本色の上に、影と光沢を落とす。
これもごく適当であるが、通路に発生した空気感はこのとき確認できる。

所要時間:6分
 
手前の窓枠レイヤーを消してみて、奥通路のディティールを描き出す。

やっぱり何か寂しかったので、メイドさんを拡大して中心に。
するとサッシが邪魔になるので、これにあわせて窓枠も描き直した。

適当な思いつきでそのまま描くのではなく、ある程度の構図は練っておくべきだと思い知る。


所要時間:43分
 
サッシ外の白いタイル部分を描き、手前窓枠を直線処理で描き直す。


所要時間:16分
 
サッシやメイドさんのつくる影を描く。
ついでに、タイルの質感や庭草の処理を試みる。


所要時間:10分
 
手前の窓枠(壁と言うべきか)を黒く塗りつぶす。

所要時間:7分
 
やっとメイドさんを大着色。このとき、通路の壁など黄色がきついことに気がつき、そっちをなおせばいいものを、なぜかメイドさんの方の色をイエロー系のベージュで調整してしまう。
でも、和風のメイド服というのは、こんな醤油で煮絞めたような色なのかもしれない。

ティーコゼをピンクに。それにあわせて靴もピンクにした。このときようやく、和風住宅なのに靴という矛盾に気がつく。



所要時間:13分
 
メイドさんに、陰影と光沢を描き込む。まだ、ごく大雑把に。

通路と庭の高さが同じというのも変なので、段差をでっち上げる。いま思うと、ホントはもっと高くあるべきだった。この庭にはいろいろ不満があって、全体の色彩的にも、緑色は邪魔な気がする。


所要時間:15分
 
メイドさんの描き込み。
主線、基本色、陰影のレイヤーから、ある部分は消し、ある部分は上から塗りつぶし、統一感のあるように溶かす。この際の作業は相変わらずエアブラシを細く絞って行っている。

足下も、このときに靴からスリッパに変更した。


所要時間:11分
 
窓ガラスの下の方に光沢を描く。これでメイドさんがガラスの向こうにいる雰囲気に。音が遮断されている感じをだしたかった。本当はガラス全体に効果をつけられるといいのだが、メイドさんが隠れるのを嫌っている。

ほか、手前窓枠の角を丸くしたり、絵のなかで視線を何度も往復させ、気がついた細かな修正をいれる。


所要時間:15分
 
時間の記録を書いていたレイヤーを消し、完成。

着色のあたりから考えだしたのだが、巨大な洋館に集団でお仕えするフレンチもしくはビクトリアンメイドではなく、和風の作りで、何棟もある平屋のお屋敷に仕えている感じのメイドさんにしようと考えた。(そんなものがいるのかどうかのツッコミはともかくとして)

彼女が醸し出すのは、和文化に洋物がまじっているときにありがちな野暮ったさ。その隙間に入り込む生活感。そしてそこからにじむ、家庭的とは言い切れないまでも、人肌的な暖かさ。
とりあえず、なにもかも統一されている洋メイド装備とはちがい、お手製であったり持ち込みであったり、あるいはメイド個人の趣味で使用されている品々が、それを表現するアイテムとして描けていると思う。

まあ、具体的には先述のティーコゼや、このピンク色のスリッパがそうなわけだが。


庭草の色が浮いていることや、ファイルの上下左右に微妙な塗り残しがあって、黒背景に溶けきらず、とくに液晶モニタや輝度の高い環境ではそこが浮かんでしまうことなど、いまみると頭を抱えたくなることも多々あるが、こういう「動いているシチュエーション」が描けていることは、とても気に入っている。


サムネイルを作るついでに、セピアトーンの処理もしてみた。
これはこれですっきりした味があっていいと思う。



所要時間は、ラフが終わり、ちゃんと描きだしてからだけなら203分。
ラフ自体も20分程度なので、4時間かかっていない。


以上、なにかの参考になれば幸いである。















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