2005.06.05 「ぱんつ絵製作記」


注:今回も事実(※)を正確にお伝えするために、基本的にせいるさんと交わしたIRCのチャットログを流用しております。
なので、天野とせいるさんの二人しかいないときや、他の入室者がいるときのログが一緒になってます。このため、人数状況は変動的ですが、その都度説明するのもスピード感が失われそうなため、入退室の宣言等は削除し、そのまま会話記録をすすめます。御了承ください。


 ※ 創作にとって都合のよい事実



爪研ぎ板・・・じゃなくてせいるさんに日ごろの感謝をこめて「ぱんつ絵」を描こうと思った。


あまの「で、せいるさん、ぱんつ絵は誰のがいい?」

せいる「桜(Fate)はダメ? 出来たら黒桜」

「黒桜の下着姿って、
いったいどんなシチュエーションですか。あの酢こんぶは地肌に直接着用ですし、黒桜に下着姿なんてありえません」

「でも天野さんと相性いいと思うんだけど、黒桜。あのめらめらと昏(くら)く燃える思念の女」

「じゃあ、それは別に描きますから、他のリクエストを」

「お風呂はいってるとき
『天野さんのドクロちゃんが見たい』とか思っちゃったんだけどイケてる案でしょうか?」

「ぱんつは?」

ましろことーんで!(即答) アニメOPのひらひらルルティエ衣装とか」「アニメでは、無体なぱんつもいっぱいあったがあんなかんじ」

「あんな
みもふたも情緒もないぱんつヤダ

「情緒は確かにないね(笑」

「じゃあ、ストラトスフォー。かりんがあのスーツに着替えてるところとか。無表情でロッカーに手をついて下着姿でフライトスーツを持ってる。左手で例の携帯をだらんともってて。多分みかぜが呼びにくるほんの数秒前」

「やだー。」

「いやなのか!(笑」

「下着絵は
育った娘 がいいー。」

「まぁ陰影は確かにふっくら系が美しいですね。なぎー絵もそうだったけど。」

「そうです」

「ローゼンメイデンの『のり』はー?」

「ぜんぜん」

「おりてこない?」

「うん」

「というか、せいるさんはローゼンでは『のり』のファンなの? そして『のり』のぱんつ萌えなの?」

「あのおねえちゃんだいすき。巴も好き。中の人のせいもある。」

「いまイロイロとリクエストをもらって考えたけど、せいるさんが前いってた
『天野さんの下着絵は、ガラスケースにしまっておきたくなるような絵だね』っていうテイストしか描けない。たぶん。萌えエロはちょっと無理」

「大事にしまって綺麗なままにしておきたい。そうしたぱんつ絵大好きですよ」

「というか、自然なぱんつが好き。だからぱんつが見えてても、
そこに作為がないぱんつがいい

「ふむふむ」

「異様にローアングルとか、不自然にスカートがめくれてるのはダメ」

「女の子が不意に無防備になる瞬間を切り取ったかんじの絵とかだね」

「いや、不意に無防備ってのも、なんかなー」「自宅でくつろいでる、あるいは友達といっしょで安心してる下着姿絵が描いててたのしいだろうなあ。絵の中にでも
男性視点があると、なんか緊張するし」

「昔むぎさんマリみて2年生ズで下着交換とかしてたやつとか?」

「あー、あれいいねー」

「しまこさんとゆみすけとよしのがぺたんと座って」
「ピンキャラで今まで考えてたけど、二人でもいいなら『みかぜとかりんの百合っぽいぱんつ絵』とか」

「せいるさんはそんなにスト4がすきだったのか・・・」

「むぎさんの本みてから
百合アニメにしかみえんのよ(笑」

「あ、わたしもむぎさんの本みてから、
どんなマリみてSS読んでも、あのひとの絵で脳内展開される

「それはともかく、なんか、せいるさんの好みはわかったんですが、その絵は描けないような気がしてきます」

「まぁ降りてこないシチュはしょうがないので、がんばって他のをかんがえる」

「すまんのう」

「天野さんの意欲が萎えないうちに。明日のお昼休みにねないでかんがえる。
ぱんつ脳全開

「いや、ゆっくり休んでください。あと
それ以上に脳味噌ひらくと裏返りますから」
「なにげないひとときに、ふっと浮かんだぱんつが
神の啓示かもしれませんよ」

「うん。そだね」「ぱんつかぶって踊ってみる」



 ぱんつぱんつぅ(本当に踊ってるらしいです)(あと、これってせいるさんには「なにげないひととき」なの?)



「ぱんつの神はなんといってますか? ところでそのぱんつの神は、
やっぱり女神さまですか?」

「うん。
こっとんぱんつとくつしただけ身につけてる女神さま(14才) ちょっとおこさまぱんつ。いうとおこる」

「そうですか。わたしにも
いまちょっとだけ見えました・・・」

みしおさんのきがえシーンなぎー絵を百回拝んで考えなさいって>神様」

「それは光栄な気がします。うん、まあ何か描いてみますよ」

「わぁい」
「天野さんだいすきー」

「よしよし
(後ろ手にツメ装着)」じゃきーん

「ギャー!(笑」









 同時刻・別のチャンネルでのコメント。

「きいてきいてカゲロウさん。せいるさんが『天野さんが描いたドクロちゃんとそのぱんつがみたいなー』とかぬかしてやがります」

「ははは。じゃあそれ確定。ははは」

「無理っ」

「釘宮ヴォイスに負けない感動を僕らに与えてくださいっ」

「負けるからっ」
あんな土俵のぼりたくないからっ」

「ポイントはやっぱり下から捲り上げておへそが見えるか見えないかだったと思うんですよ、僕ぁ」

「先生! せいるさんがストラトスフォーのかりんの下着姿を描けって言ってます!」

「……あー、せいるさんはあまのせんせにツメを研がれるフリをして、
うっかり食い込んだ瞬間ぱんつかくまで離さない予感がする」

「いのちよりぱんつの方が惜しいのか」

「たいがい命懸けだなあ、あのひとも」




 後日。



「せいるさん、リクエストも詰まってきたので、自分に優しく香里(「Kanon」の美坂香里)あたりのぱんつ絵でいいかな。ドクロちゃんと黒桜とスト4はやっぱ無理」

「うん。とりあえず一通り今まで提案してみたけど、天野さんのアンテナにひっかからなかったし」

「すみません」

「香里さんのベビードールとか、ふわふわしたやつがみたいな。香里さんの髪の毛のふわふわにあわせたような」

「その発想がまた(わたしとは)ぜんぜん違うなあ」

「そう?」

「香里を選んだのは、プロポーションのよさを表現したいだけですので、普通の下着でいきます」

「そかそか。あいあい」

「あと、サンフェイスさんがむかし書いてた
『香里は身体が固いのでフロントホックブラ愛用』という設定を適用しよう」(後にサンフェイス氏の発言ではないことが判明。どこで読んだのだろう)



 描き始めました。



「あー、下着絵って描いてて楽しいなあ」

文月さん「あまのさんは以前
『下着(を描くくらい)だったら、いっそ素っ裸のほうがずっといい……』とゆっていたのに」

「そのスタンスにはいまだに変わりないつもりなんだが、たしかに下着絵かいてる」

「せいるさんのせいだ」

「ぼくのせいかい!?」
「ガーン Σ(・_|」

「ほら、せいるさんは、アンリマユ(Fate)みたいなものだから」

「生粋の悪と一緒にしないでぇ?!」

「しばらく待っててください」

「じゃあ、寝てまつよ」
「はぁ、すー、はぁ、はぁ」
「クンクン……」

「吸ってる、吸ってる」

「はっ!」「ご、ごめん。渚(CLANNAD)のぱんつがそこにあったから……」(そこ=脳内)

「渚のじゃあ、仕方ない」

「渚のぱんつはほのかに小麦粉の匂い」

「ああ、渚だからな」

「渚ならしょうがないな」


「せいるさん、香里の下着絵、ラフだけど描けたさ」

「おー。おつかれ」


 アップロードしてみました。




「右手はだらん、としてるかんじ?」

「特に腕の表情は考えなかったなあ」

「そっか。顔にあわせてなんかもっとだらんとしてるとアンニュイ香里さんの艶さがますよーなきがしますた」

「下半身もうちょっとボリュームつけよう」

「くびれのうえあたりの影は? 肋骨が浮いてるわけじゃないよね。単なる影?」

「肋骨。色をつけるときにうっすら描くけど、線としては消すつもり」

「肋骨か。右足にちょっと重心をかけてたってるのかな。あと
香里のわき腹にキスをしてあげたいかも」

「せいるさん、わき腹ふぇち」

「なんでそんなとこにキスするのよ、と苦笑する香里さん。
 見えないところにキスマークつけようとおもって、さ
 ……馬鹿。
 そんなかんじ」

「えー、
せいるさんはさっそくエロ妄想を垂れ流してますけど、設定としては鏡に映ってる自分のプロポーションをチェックしている感じ」

「エロ妄想で片づけられたー!?」

「あれ、感想だったの?」

「感想ですよ!」「
ちゃんと反応したじゃないですか!」

「いや、ほら、せいるさんの言葉って、もう
みんなネタだと思っちゃう回路が」
「あと、さっきのは感想っていうよか、やっぱりエロ妄想だと思うな・・・」





さらに数時間後



そして



「さて、色を塗ってみました。どうかのう」

「腰のくびれの光の表現が好きです。色つくと妄想が違ってたのがわかりますね」
「天野さん
さりげにブラのほうがかいてて楽しかったのでは?」

「ぱんつがね、いまどれくらいローライズなのが標準なのかわからんくて」

「ちょっと手を抜いたってかんじかなぁ」

「せいるさん、
ぱんつに関してだけはさすがに厳しいね」

「布の質感は確かにあるんですが。ぺたーんと塗ってあるかんじがして少しチープっぽいぱんつかも。混合布?」

「あー、布の方はあんまり手いれてない。お肌ぬるのがたのしかった」

「わりとナイロンっぽい質感だね。<ぬの」
「でも普段着の香里っぽいきもしますよ。」

「背景は誤魔化しましたが、鏡に映るプロポーションをチェックしてる様子ってことで」

「多分名雪かなんかに体形のこと言われたとか。あるいは北川かもしれませんが。そんで確認したくなったんでしょう」
「うん。『インザミラー』とでも題しますかね」

「でも、ちょっと(布地が)厚手な感じがしますよね。なおしてみます」



一時間後。



「せいるさん、香里のぱんつがやわらかくなりません!」
「ナイロンじゃダメですか!!」
「香里は木綿より絹だろうけど、普通つけてるのはたいていナイロンでしょ!」

「あのね」

「なんですか」

「香里のぱんつはむしろ静謐さに溢れているべきだとおもうの天野たん」

「また難しいことをサラッというねこのひとは」

「柔らかさよりはケーキナイフで綺麗に切ったスポンジのように」

「・・・・」

「みなさん、これ(↑)
ぱんつの表現らしいですよ?」

「ぱしっとぱりっとした布。ぴんとはった布の谷間と下のからだの緊張感。そうすると静謐的ぱんつになるとおもう」

「天野さんはいま、とても文学的なぱんつ絵の指導をいただいております」

「すげえ、ぱんつに命張ってる人って初めて見た」

「そして神を見た」

「その神を爪研ぎ板にしてる猫(天野さん)って一体・・・」

「これが『インフレーションにより、
神より強い猫が現れた!』ってやつか」

「神聖モテモテ王国」

「せいるさん、ファー様か」

「そんなあ、ぼくは天野さんが困ってるからゆっただけなのに……」

「やっぱりぱんつの人は凄いなぁ」

「せいるさんのイメージって、もう
統一見解ができてるから、初対面のあつまりとかでも把握が楽でいいですな。」

「それ! それです!」

「なんですか」

「天野さん、前にもいいましたけど、初対面のひとと会って話をすると
『あっ せいるさんて意外に普通!』って言われます」

「はあ」

「でも『ぱんつもスキなんですけど』って言うと
『やっぱり天野さんの日記のとおりの人だ!』ってみんなが!」

「あー」

「そこで出てこなくていいですから天野さんの日記!」

「何度もいいますが、ほら、宣伝ってことで」

「それ
天野さんの黒魔術ですから!」

「魔術・・・」

「そして、それを解く方法は、
ぱんつをかぶって三回まわることです」

「実際やってみると『かえって、別の魔術にかかったような気が』って意見がありませんでしたっけ。
同程度に悪質な魔術で上書きしてるだけじゃないかな・・・」

「天野さんの邪悪な魔術よりマシです!」

「せいるさん見てると、私のは魔術じゃなくて、
単に鏡面で反射してるだけみたいな気がするんですが・・・」
「とりあえず、香里のぱんつ絵をうけとってください」

「わぁい 天野さんすきすきー」

「よしよし
(後ろ手に鉄爪装備)」じゃきーん

「ウギャー!(笑」





 




 こうして、


ぱんつ絵はどうにか完成した。
だが、それを巡ってあちこちで発言された内容、およびそれに対する周囲の反応を客観的に捉えるに、せいるさんに対する世間の評価も、
ほぼすでに完成しているようではある。

本人は普通の人間であると訴えているが、もはやたいてい
どこに出しても、彼はぱんつのえらいひとだ。
だが、それはやはり、天野の黒魔術とかではなく、あくまでも
素材である本人の資質によるものだと、わたしは思う。










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2005.06.08 「記憶喪失」


ふと気づくと、うちの日記が
ほぼ完全にせいるさんに乗っ取られている気がするので、書店での日常の記録でも書いておこうと思う。


まだ寒い時期のこと。
夜9時頃だったと思うが
万引き犯が捕まった。いちおう遭遇したなかでは最高齢の52才である。
なぜかアウトドア関係のDVDや俳句の本など、漫画やベストセラーのような転売目的とも思えない商品を、ハーフコートの中で脇の下に挿んでの万引きだった。

現在の店舗には風除室という自動ドア二枚に囲まれた空間があり、そこで確認し、取り押さえることに。
現認と確保は警備会社の人。犯人の第一声は「アホなこと言うな」という主旨の言葉だったが、不自然な脇の絞め方といい、コートの上からでも懐に厚手の本を何冊も挟み込んでいるのは見て取れる。

程なくして乱闘。わたしも加勢。暴れる犯人を寝技に持ち込んで確保。「ああ、このスーツ、クリーニングしたばかりなのに」と思いつつ袈裟固め。「ちょっと待って、ちょっと待って」と犯人。

事務所に引きずり込み、警察に連絡。
「やるんやなかった、やるんやなかった」頭をかかえてうなだれる犯人。警官到着犯人黙秘開始。たまに「えらいことしてまった、えらいことしてまった」と犯人。社員の一人が、前にもこの犯人が同店で万引きして捕まったのを見たことがあると証言。そのときは錯乱して事務所の機材に頭を打ちつけ額を割ったとか。そういえば両手で目を覆っている格好だがよくみると額を隠しているようでもある。ちなみにそのとき盗ったのはアイドル写真集で、彼がその額で破壊した部分はまだひび割れている。ほどなくしてさらに警官到着。やはり黙秘。そうこうするうち、店外の犯人のものと思しき自転車カゴにも盗品があることが確認される。盗品は合計で2万円ほど。自転車から身元を確認する旨の無線連絡開始。自転車運搬のためにさらに応援で警官追加。前科者だからか刑事も来店。第一声が「おい、○○!」とファーストネーム呼び捨て。常習犯というか顔見知りらしい。「また刑務所にはいらなあかん、また刑務所にはいらなあかん」と犯人。自転車の移送のため警察車両の軽トラック到着。事務所に詰め込まれた警官はついに計7名に。同店で前歴があって、刑事が顔を覚えていて、乗ってきた自転車の持ち主の名前と彼が所持している免許証の氏名が一致しているが犯人黙秘。身元は完全に割れたが本人が認めないため、やむなく護送。現実に目の前で犯罪者が手錠(光沢黒色だった)をかけられる(半円を一回転させた勢いでロックするやり方ではなく、普通に両手で開いて、普通に両手で閉めていた。前者を想像したのはは古いドラマとかアニメとかの見すぎだろう)のを初めて目撃する。ちょっとしたショック。善良なお客さんに見せるといかんような気がしてその両手にタオルをかけさせてもらった。その後、店外にて自転車の確認。やはり黙秘。興味本位の野次馬ども(うちの客なのだが、ここだけは唾棄すべき個人)から犯人をできるだけ隠す。犯人はパトカーに乗せられて退場。その後、残った警官の書類作成に協力し、残業届を出してその日は終了した。


年齢のいった犯罪者というのは、みていて暗澹とした気分になってくる。
「姉さんが心配しとったぞ!」という刑事の一喝も、いたたまれなかった。
何か教訓を得ようと思ったが、とくに何も出てこなかった。
この日記にも、とくに意味はない。こういうことがあったというだけの、ただそれだけの日記だ。

意味はないが、これには実は
後日談がある。

警察からは連絡がなく、警備会社から漏れてきた情報なのだが、犯人は
護送中にパトカーから逃走したのだそうだ。警官が何人いたかしれないが、店舗に残った2人を除けば5人いたことになる。その条件で逃走を許したことが不祥事といえるかどうかはともかく、すぐに犯人は取り押さえられた。



現在犯人は、

取り押さえられたときに殴られたため記憶喪失になり、自分が誰なのかまったくわからない

と主張しているという。



いやもう何とコメントしたものかと頭を抱えてしまう。
そしてやはり、ここまできても有効な教訓はひねり出しがたい。というかもはやそういう次元でもない。
おそらく、逃げ切れるわけがないとは分かった上で、記憶喪失の口実を得るための逃走行為だったのだろう。結果として記憶喪失者扱いである。
そんなわけねえだろと誰もが言ったとしても本人が黙秘している以上、法的には刑罰の執行力がない・・・のだろうか。
事件があったのは冬の寒い時期だった。たぶん、
暖かくなるまで、刑務所にはいるのをのばすつもりというのが当面の妥協点なのだろう。

しかしもうここまでくると人間的感想は確固とした意見としてわいてくるものではなく、ここにもただ
「日記に書いとけ」というすてばちな一点しか落とし所はないように思える。









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絵描きと管理天野拓美air@niu.ne.jp