世界はこんなにも光に満ちているというのに
summer lights
(2002.12.31 tue)
誰もしらない、悲しみを秘めた、静かな午後。
ひとりきりで、涙をこらえた日々があった。
観鈴が、いちばん欲しがっていたもの。
それは、なにもかもを取り戻して、普通に笑いあえる日々と、いっしょに遊べる友達だった。
ただ、それだけだった。
この絵は、色もポーズも考えてなかったのに、描き始めた瞬間にタイトルだけ落っこちてきた。
「世界はこんなにも光に満ちているというのに」である。
KEYのキャラに、たくさん友達がいればいいのに、と、絵を描いていてよく思う。
この絵も、観鈴に似た境遇で、彼女のこころが分かりそうで、たぶん友達が少ないであろう5人を描いてみた。
KanonやAIRのキャラは、女性に好かれにくいと思う。
「頭の悪い子」が多いし、彼女らに自立した将来の夢などがないし、他にも個別にはいろいろ嫌われる点がある。
そして、ただ、男に愛されるキャラとして存在している(少なくとも、そう見えてしまう)からだ、とも思う。
だからこそ、ゲームの世界を通過した後の彼女らに望むのは、同性の友達をたくさん得てもらうことだった。
先述したが、彼女らは「夢」を持っていない。
ああしたい、こうしたい、こういう道を歩みたいという具体的な将来の夢がない。
あっても、それはとてもとてもささやかで、ちいさな夢だ。
なぜなら、ゲーム中の彼女らは、ただ、生きているだけで精一杯だから。
だからこそ、苦しみも悲しみも、何もなくなった日々には、世界が光に満ちていることを知ってもらいたいと思う。
ともだちといっしょに。
製作環境:PowerMac G4 450・WACOM FAVO・Painter7
一枚に五人も描いたのは初めてではないでしょうか。
この絵は「どこをさがしてもきみはいない」を完成させたちょっと後に考えた絵で、あの反動でしょうか、ただ「幸せな観鈴が描きたかった」というのが根本の動機です。そして、観鈴にとっての幸せとは、晴子との関係性が普通に得られていて、そして、彼女があれほど欲してもついに得られなかった「ともだち」がたくさんいることだと思いました。
そんなふうに思って、描いた絵です。
たしか描き始めたのは夏だったと思うのですが、絵を描いていなかった時期でもあり、こんな年の瀬の完成となりました。おかげで仕上げの作業中、空気感の掴めないこと。全員さむそうに見えて仕方がありません。
背景にあるのは白い堤防で、その下はアスファルトの道路なんですが、キャラをハッキリさせたかったので、色味を落としました。
当時は、こういうクロスオーバーな絵を描きたい気持ちがあって、もういちまい、こんなのも描いてました。
たしか「ひみつの階段」読んでものすごくショックを受け、むやみに女子寮ものの絵が描きたくなったため、この三人が寮とかで一緒に暮らしていたら・・・とゆー無理矢理な妄想から生みだした絵です。美凪の胸と美汐さんのつつましい乳が好評でした。私自身も妙に気に入っていて、WIN機の方では、いまだに壁紙です。