あなたを、ずっと抱きしめさせて欲しい。
こんなに幸せな気分だもの・・・。
ゆうなぎ。
それは、太陽が海に沈む前の、ほんのひとときの時間。
それは、太陽が世界に別れを告げる、うつくしい時間。
あたたかで、おだやかな日々がお別れを言う。
人も、そして世界も、別れるときが、いちばん美しいのかも知れない。
この二人の再会は、ともすれば物語の終焉につながる。
この絵は、再会の絵であると同時に、我々にとって、彼女との別れの絵になる。
ヨコハマ買い出し紀行が、どうやって終わるのか、チャットや掲示板で、話題はつきない。
わたしは、帰還したオーナーが、アルファさんと、そしてこの物語を連れていってしまうような気がしている。
カフェ・アルファだけを、西の岬に残して。
こ、これは怖い。いやマジで怖いですね。
自分で描いておいて何ですが、この人が現れたら、もうおしまいみたいな理解をしていましたんで、オーナーの絵は、やはり怖いです。
アルファさんの幸せを、素直に喜べない、入れ込み型のアルフィストには、嫌な絵ですね。さらに、アルファさんがオーナーに、膝枕みみかきするとゆー地獄のような絵も考えていましたが、やめました。
私にとってアルファさんは、やはりオーナーの帰りを、待ちわびているイメージがあります。
そして、二人の再会を恐れる一方、そのときにアルファさんが、どんな風に、思いの丈を表すのだろう、と考えていました。
あえて表情を隠しましたが、この構図が、アルファさんの気持ちを雄弁に語っていると思います。
制作環境:Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe・WacomArtPad2
秋から冬にうつる季節。
そして夕景。
再会の喜ばしいシーンであり、お別れの寂寥感を出すには、やはりこの時期と時間が似合うようです。
夕日の残照が地平にあって、空から群青が被さってくる時間、そして、その狭間にできる中空の白。これを、絵の中に出したく思いました。
水彩で描き、ソフトフォーカスをかけます。シルエットになった森は、紫に。六巻表紙の背景を参考にしました。おかげで、多少ヨコハマっぽい味付けになっていると思います。
人物を半透明にし、背景の夕陽色と合成することで、夕暮れのぼんやりした感じを出しました。同時に、ハイライトの部分は、背景を白くブリーチし、これもぼんやりと光らせています。
寂しく、
暖かく、
優しく、
悲しい絵にするためには、やはり色が大切です。暖色、寒色の使い分けで、うまく表せました。
案内の下に、作画サイズを。
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