見つめてきたもの

snow white

(991106sat)



彼女は、私たちのかわりに、ヨコハマの世界を歩く。
私たちは、彼女の目を通して、ヨコハマの世界を見ることができる。
その瞳の素直さが、この世界を素敵に見せているのかもしれない。

ココネさんのお話の中には、この世界の核心に触れそうで触れないエピソードが幾つかあります。
アルファ型機の碑や、銃の扱われ方、ロボットである彼女らを取りまく環境など。我々は、それらの情報が明かされることを望みながら、また一方で、ヨコハマの世界に見え隠れする、犯罪や恐怖の影が、表に出てくること、明確に表現されることを、とても恐れていると思います。

しかし、漠然と不安を感じながらも、我々がこの世界の空気に共感し、また酔っていられるのは、ココネさんの目を通して、この世界を見ていられるからなのでしょう。

アルファさんや、ココネさんを通じるからこそ、我々は、この世界を魅力的に感じることができるのです。

実際のヨコハマの世界は、おそらく、現在と大差なく、それほど魅力的でもない、人間の世界なのだと思います。でも逆に考えれば・・・。ねえ?


制作環境:Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・WacomArtPad2

半端にリアルなココネさんです。「歩いてきた道」に合わせて、ココネさんでも描いてみました。
肌がきれいだ、という話を丸子さんがしていたのと、ネコ目のアルファさんよりも、ココネさんの目の方が、やや大きいであろうと思われたことから、その二点を中心に描きました。

またしても、色がつけられなかったので、モノクロです。肌の白さを際だたせるために、薄墨ていどの色彩におさえました。
完成度に納得がいかないのですが、これ以上も描けないので、挫折・・・という感じの完成です。コミックのココネさんとは、イメージが違うんですよね。
リアルなココネさんとは、とりもなおさず、芦奈野先生の描く、あのココネこそ、リアルなココネであるといえましょう。
この絵は、それに近づけるべく、実在の女性像からのアプローチ、という通常とは全く逆のアレンジングです。

ともあれ完成としましたが、未練の残る作品です。いつか、すごいココネさんを描きたいなあ。


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