vermilion
 
十年も、一日も

sea vermilion

(990317wed)





ミサゴは大人を嫌う。

水神さまの容貌を見るところ、ミサゴの本質は、こどもなのだろうと思う。

こどもの心

こどものしぐさ

おとなのからだつき

おとなの線

ミサゴは、こどもなので、こどもとしか遊ばない。


ミサゴの笑い方が好きだ。
にーっと目で笑う。たまに牙まるだしでも笑う。
それがどういう気持ちの笑みなのか、パッと言葉にできないのは、我々がもう、子供ではないからだろう。

彼女はさみしくはないのだろうか、彼女は退屈ではないのだろうか。
それが気になって、絵になった。
ひとりで魚をとり、暮らす。魚や蟹や、虫も食べる。スレンダーで長い手足で、思いっきり走り、飛ぶようにジャンプする。そして猫のように寝る。

彼女は、たぶん私が心配するほど、寂しくは無いのだろう。ただ、魚や貝を捕っているとき、ふと手をとめて誰かのことを考えるときがあるのではないか、それは寂しいという気持ちとは違うかもしれないが、私はそんな、あるかないかの一瞬を絵にしたかった。


Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe1.0・WacomArtPad2

またしても、すっぽんぽんである。
しかしこの絵に関しては、大きな声で言い訳が出来る。
「ミサゴだから!」
この絵はともかく、原作のミサゴ自体は嫌らしくない。色気という点では、たまにみられるココネやアルファのそれの方が、色っぽいときがあるくらいだ。

ミサゴの資料は、意外に少ない。描くのに、苦労した。
入江のミサゴ、やっぱこれっす、カマスのアヤセ、水神さま、今の人、四巻出番無し、午後の麦茶、ふりむけばミサゴ、水の時計・・・。
強烈な印象のわりに、出番は少ないのだ。ココネや先生の方が、まだ多い。
それでも、タカヒロやマッキを見ていると、どこからかミサゴが彼らを見ているような、そんな気になる。
滅多に姿を現さない、という人物設定が、我々にも影響しているようだ。

ところで私が住んでいる岐阜県には、海とゆーものが無い。
従って「入江」という地理条件も、さっぱりわからない。仮に資料があっても、そこに「入江」と書いてないと、それが入江なのか分からないのだ。

そういういわけで、背景はただ海です。

遠景の細かい光の反射は、ピクセルダスト(ペインター、ブラシ、ペン内)で、近くの反射光は同項のリークペンで粒を描いた後、消しゴムのブリーチで点をつなげました。手描きで、さりげなく空の雲を映り込ませてみましたが。ぜーんぜん分かりませんね。

ところでミサゴの髪は、一巻巻頭によると暗い茶色のようですが、カバー返しでは、暗い緑色でしたので、このように。これによるとミサゴって、色黒なんですよね。



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