「私が人間になれたら・・・」 もう力の入らないこの手を、彼女が自らの頬に押しつける。 「・・・・あなたのお嫁さんになります」 彼女は、そう言った。 不思議とひとを和ませる、淡月のようなまるい顔に、涙が伝った。 ロボットとオーナーの、二人だけの暮らしのなか、老いたオーナーが死を迎えようとしている。ヨコハマの世界では、ロボットの誰もが通過しうるシーンだろう。 彼女の言葉は、いっしょに死にたい、という愛の告白かもしれない。あるいは、死後の世界でもいっしょにいたいのに、あなたは先に逝ってしまい、わたしは永遠に追いつけない、という絶望感なのかもしれない。
「キャラクターにこの一言を言わせたい」という、まさにその一言のためだけに小説やマンガ、イラストを書く、というのは結構あることだと思いす。今回は、まさにそれ。
文章だけは二年ばかり前に思いつき、ネモ船長に贈ったこともあったのですが、ようやく画力が追いつきました。
製作環境:PowerMac G4 450・WACOM FAVO・Painter4.0・PhotoDeluxe1.0 ココネさんといえば、髪の色で悩むのですが、背景の色にあわせて茶色に。でも少しだけムラサキが入ってます。
人間の「知・情・意」は、それぞれの人種に特徴づけられていると聞いたことがあります。
そのせいか、情感をこめる絵は、黄色人種のカラーリングがもっともしっくりくるのかもしれません。
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