眼鏡天国

eye care

(2000.10.27 fri)





「うーん、北の大崩(おおくずれ)で、一度だけ見たことがあるんだけど・・・」

アルファが、魚類図鑑を、ひたすらにめくっている。

「空を飛ぶんですよね・・・?」

「でも鳥じゃないし、足は6本あったけど虫なわけないし」

うーん、と唸りながら、アルファが手を早める。眼鏡がずり落ちてきた。

何度か目の、ココネさんのお泊まりである。
話のついでに出た「カマス」のことをココネに紹介しようと思って、アルファは辞典を持ち出した。
辞典はオーナーの蔵書らしく、かなり古いもののようだ。箱入りなので、ほこりの心配はない。
それを、寝間着の膝に乗せて、二人でカマスの絵を探している。

「ところでアルファさん」

「なあに? ココネ」

「なんで私たち眼鏡をかけてるんですか?」

「オーナーがこの辞典見るときに、いつもかけてたから、なんか違うものが見えるのかなーって。・・・かわらないね」

「ちょっとだけ小さく見えますけどね」

「あ! これこれ。ちょっと近い」

「トビウオ・・・?」

「トビウオの羽根と、梭子魚(かます)の体と、昆虫の足とを、こう、くっつけて・・・」

パズラーになっているアルファを見ながら、ココネが心の中で突っ込んだ。
合体怪獣じゃないんですから・・・。

でも、だいたいのイメージは分かった。

「うーん、だめだ。ごめんね、今度見たら写真にとっておくよ」

「はい。」

「カマス」は辞典にのっていなかったが、ココネは満足げだった。
今度は、写真を見せてもらいに、ここへお邪魔しよう。
口実が出来てホクホクしているココネだった。

> どもでやんす。忙しい湖です。
> 40000&24242(踏んだまま忘れてました(笑))のリクエストですが、
>
> 「めがねなココネ&アルファ」
>
> てえのはどうでしょ?

「なんで私たち眼鏡をかけてるんですか?」
という問いかけへの真の回答はこれである。
そんなわけで、リクエスト絵でした。

ついに、メイド、眼鏡、ロリをやらなかった夜想曲の一角が崩れるか、と危惧したものです。
制服に続いて、眼鏡まで・・・。じゃあ、次は・・・「みつあみ」?
というよくわからない会話があったとか無かったとか。
まあ「制服、眼鏡、とくれば、次は・・・くつした!」よりは良いとおもいますが、とにかく眼鏡です。

眼鏡で連想した絵は、なんといいますか、本を読んでいるところでした。
雑誌かなにか、大きい本を見せあっている絵のイメージなのですが、時代的にそぐわないので、図鑑に。

この二人が仲良く何かやってる絵、というと「ベッドの上」になってしまうのは、何故でしょう。
ここだけきくと、途方もなくヤバそうですが、絵の方はホンワカ仕上がりました。

リクエストを受けた夏のころは、図書館のイメージだったのですが、結局アルファさんの家にお泊まりのご様子になってしまいました。いや、だってベッドの上だし。

「朝の時間旅行」以来という感じの「生活感のある二人の絵」です。
女性の生活を描くというのは、(現実的にはもっと幻滅するようなことばかりでしょうけれど)華やかで、暖かいイメージがあるので、自分は、とても好きです。
こういう現実ばかりではないけれど、こういう現実もあるだろうという、嫌みのない、リアルを描くのが好きです。
その際、男性の一方的な願望ばかりで絵を作ると、だいたいおわかりとは思いますが、世にあふれている、そういう類の絵になってしまいます。
女性の絵を描く以上、女性の視点、とまではいきませんが、女性が見ても嫌みではない絵を目指したいですね。

今回、はじめて眼鏡というものを描いてみたのですが、特にこのアルファさんの方、眼鏡があったほうがカワイイという不思議な結果になりました。
最初は眼鏡なしで描き、後で描き足したのですが、明らかに眼鏡有りのほうが良かったのです。眼鏡っ娘に人気がある一因が分かったような気がしました。
眼鏡フェチのある人物が言っていた「レンズで輪郭がゆがむのがイイのだ!」とゆーこれはこれでちょっとアレな趣向も反映させてあります。

それにしても、ココネさんがかなりスレンダーな幼児体型で、アルファさんの方がやや肉感的な感じにかき分けてしまうのですが、そういうイメージって、ありません?



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