「アルファさん、すてき・・・」 うっとりと、ココネが呟く。 「は、あははは・・・」 なんとなく身を退いてしまうアルファの脳裏には、ココネが酔っぱらった時のことが、まざまざと思い出されていた。 ヨコハマのお祭りに、チャイナ服で行こうと提案したのは、ココネである。
貸衣装の店から出てきたアルファを、ココネがニコニコしながら迎えている。 「どうですか?」 「なんか、歩きにくいね」 アルファは、ドレスに合わせて、ヒールの高い靴を履いている。
「あ、ここ。いつも豆を買ってる珈琲豆屋さん」 ココネの肩に捕まって、ひと休みしながらアルファが紹介する。 「どうも、はじめまして」ココネが軽く会釈をした。 特異な髪型(モヒカンの変形)をした店員が、「あい」などと言っている。 「あの、カメラのシャッターを押していただけませんか?」 あかくなって照れている店員に、ココネがにっこり笑って、頼んだ。
そのむかし、ガペケラさんにリクエストされて描いた絵です。
さて件のチャイナ服ですが、ナマでじっくり見られる機会はそうありません。細部がどうなっているのか不明だったので、ぜひ実物を見たかったのですが、ここは妥協して、ミスタードーナッツへ行き、チャイナ服を着ている店員さんを観察しました(観察するな)。 観察結果 純朴さと、立て襟で胸元を隠した慎ましさと、チャイナ服を着ている人が、みんな背の低い「かわいい」感じの美人さんばかり、なぜか見かけるせいで、この絵を機に、すっかり気に入ってしまいました。
制作環境:Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe・WacomArtPad2 原作の丸顔と、オリジナルの細面の中間をとるのに苦労しました。あと体の線も、なんだか違和感があります。
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