四月の夢

Happy Birthday to You

(2000.07.04 tue)




アルファ型は、人間の心が求める理想を、投影したものかもしれない。
創造者は、彼女におそらく二つの願いをかけたのだろう。
人を愛し、幸せにしてくれる存在になってほしい。
そして、人が愛し、幸せにしたい存在となってほしい。

そしてそれは本来、何があったのかいまだ不明な「ヨコハマ買い出し紀行」の特殊な世界下ではなく、現在のような日常において求められたものであったと思う。
愛し、愛される日常の復帰。
それを、ロボットの創造者は求めたのではないだろうか。
それは本来、人と人との間で復帰されるべきものなのだけれども。

ロボット創造の動機は、人間の寂しさが出発だったのかも知れない。
人の間で愛が冷え、暖かな人間関係が失われた時代に、その心を慰め、守り、ともにいてくれる、良き助け手として、心を持つロボットは創られたのかも知れない。

しかし、アルファさんのその姿を見る限り、創造者は、人の心を実によく理解し、決して人間に都合のいい、不自然な純粋さを持った存在としてではなく、自由な意思をもった人間と同格の存在として、創ったように思える。

創造者みずからも、心からの自由を求めていたのかも知れない。
それをアルファさんに投影しているのかも知れない。

何もかも、推測の域を出ないが。



制作環境:Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe・WacomArtPad2

忙しい湖さんの誕生日(4月)に贈った絵です。
仕事が終わってうちに帰ってくると、誕生日のプレゼントを持ったアルファさんが、待っていてくれた・・・というようなシチュエーションです。ドアが開いているのは、特に意味はないのですが、私が大学時代に住んでいた下宿は、玄関が狭くて共同で、こんな感じだったので、そのイメージで。
アルファさんの着る服は、基本的に白かベージュ系、そしてカーキというイメージがあります。
原作のうら寂しい雰囲気に、派手な色は合わない気がしたので、地味な色合いで着色しました。



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