翠星石

jade stern

(2005.02.09 )


何代か前のミーディアムに愛されていたころの、
あそこまで性格がねじくれる前の、翠星石。

ドレスにまだラインはなく、髪もいまほどきつくは巻いてない。

これは、その何代か前の主人が描いた絵。

鞄のなかで時をわたる人形たちは、主を置き去りにしていくが、
こうして絵としてのこる愛情もある。



描かれているのは、信頼する者にだけみせる穏やかな微笑み。

モデルを勤める翠星石が、ときおり主人に声をかける。


「はやく描きやがれです、こののろま」


口だけは、このころから悪かったらしい。

だが、苦笑しながら筆をとる主人が、この絵からも見えることだろう。





この物語は、絵ができたあと「ローゼンメイデンのDVDを買う費用は光熱費!」と生活レベルまで萌えを食い込ませている文月さんが言い出したものである。
これを聞いたとき「ああ、それ想像しながらかきゃよかった!」と思ったあたり、わたしもいいかげんアレだが。

この翠星石も本来の設定からはずいぶん脱線している。翠星石の服が庭師のものである以上、ここまで裾をひきずるスカート丈はありえないだろうし、スカートにはアニメ・原作ともに、中程に一本ラインが入っている。あとで確認したら髪の分け目も逆だった。表情も微妙に違う気がする。
先述のように、これは絵の方が先であり「何代か前の」というのは後付だが、文章をつけてしまえばなるほどそんな感じにも見えるので、これはこれでアリとしたい。

とすると、分け目を変えたのは蒼星石と違えるためかもしれないし、スカートは一度やぶれたことがあるのかもしれない。またあの性格や価値観は、いつか通過したミーディアムからのモロに影響を受けたせいだろう。そういう過去の時間を想像するのも、また楽しそうだ。


翠星石のイメージは私の場合「階段」でのあの大騒ぎっぷりが一番強烈で、蒼星石を案じるお姉さんの顔や、猫を被ってたころのいじらしい表情はほとんど吹き飛んでいる。
そのせいか、逆に、あの性格以前にあったであろう素直な表情というのを見てみたくなった。コロコロとよく変わる翠星石の表情も魅力だが、こういうのも一枚あっていいと思う。

















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