翠星永夜抄・挿絵

cold night

(2005.10.24 )




みりんぷれいすさんの、2005年夏の新刊「Dolls Polyphony」のもりたさんの小説に、扉絵・挿絵として描いたものです。

ところで、小説本に絵を寄稿する場合、できればその小説の内容を細かく読み解いて、それを助けるような絵を描きたいものです。ですが、締切が同時である場合、完成原稿を読んでから絵を考えていたのでは間に合いません。そこで、普通は小説担当さんから「こんなシーンがあるのでこんな絵を」と事前に絵のための情報が伝わってくるものらしいです。挿絵を描かせてもらったもりたさんからも、ちゃんと情報は来ました。

「翠星石」

三文字でした。
寿命が縮みそうなそのあまりの情報量に困惑していると、何週間かして「蒼星石を失って、夢にうなされる翠星石」に更新されました。時間もないのでこれで翠星石の切ないイメージを煮詰めつつ、原稿のベータ版を待ちます。ところが、以来一向に原稿があがってきません。だんだん「煮詰める」というより「滾(たぎ)らす」という感じになり、ほとんど原稿を読むより先に描いてしまったのが、誰に見せても「エロ」とコメントされる扉絵の誕生裏話であります。

やっとあがった原稿にほとんど目もくれずに滾る情熱だけで描いたため、本を読むときに「まずカバーを外し」「後書きを読み」「挿絵を一通りみてから」「積む」というタイプのお客様にはかなりの誤解を生んでいるような気がします。タイトルの字体がまたいらん拍車をかけているように思えてなりませんが、本文の翠星石は可哀想で可愛らしいので、ぜひそちらもご期待ください。(「とらのあな」で通販中です)

ちゃんとお話を読んでから描いた挿絵の翠星石(メイド服で御奉仕)は、翠星石本人の想像として描いてみました。横で鷹揚にカズフサみたいな返事をしてるジュンは、そんなわけで翠星石の理想像。彼女は、ジュンには尊敬できる人物であってほしいのでは、と思いますがどうでしょう。カップのサイズが異様に大きく見えますが、ドールが持つとこんなくらいってことで。でもやっぱりお盆は小さかったかしら。















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