「魔法少女リリカルなのはA's」より、ヴォルケンリッターの将・剣の騎士シグナムと、その魂・焔の魔剣レヴァンティン。
えー、「なのは」みてないとサッパリかと思いますが、以下感想。
実はこの作品での「魔法」という概念がすんなり受け入れられずに、無印の頃からイマイチのめりこめなかった作品でした。まあ、知人が見てるからおつき合いで・・・という程度だったと思います。
続編である「A's」になっても、惰性で見ていた感があったのですが、今回の敵側「闇の書」の騎士の、その志と願いが分かった段階で全面的に大転換。
この、病に冒された慕わしき主を救うために、誤解を甘受し、誇りを捨て、友になれる強敵を拒絶しながら、ボロボロになって戦い続ける騎士たちの姿というのが、もう実にツボ。
主題歌ききながら泣きそうになる有様です。
不思議なものでそうなってくると作品に対しても理解が素直になるもので、というか、わたしは気に入った存在は徹底的にひいき目で見る癖があるもので「ああ、この『魔法』というのは、呪術とかスペリングで、こうすればこうなるという法則の追従ではなく、すでに原理的に完全に解明されたエネルギー大系であって、それを科学的に運用してるんだな」とか、だからインテリジェントデバイスは精霊的なものではなく(最初そうおもってたから、なんで英語? って思ってた)、よくできた支援インターフェイスなのだとか、いつのまにか全肯定です。
なのはも、フェイトも、魔法力にたよって戦っているわけではなく、それを用いる集中力とか積み重ねた太刀筋とかで戦っているのもいい。魔法という、印象としては「ずるい」力をつかっていながら、あくまで自分の技で戦っているのがいい。
キャラクターで、一番すきなのはシグナム。あと彼女の剣・レヴァンティン。
あの、カートリッジがリロードされるときの画面が震うほどの強烈な手応え。そして「ヤヴォール!」というデバイスの返事がいい。
そして、シグナムが持っている、フェイトとの対決などの自分の望みをすべてねじ伏せた上で、ただ主を救うために戦うという不退転の決意。
7話。強敵との、騎士の誇りと剣技をかけた決闘に水をさされても、それを甘受して闇の書の充実にあてなければならないとき、「すまない」という言葉を、どれほどの無念で彼女がこぼしたか。
あと、曖昧な記憶を不安に思い、矛盾に苦しみながらも主のために泣きながら戦うヴィータ(撲殺天使とか赤でじことか呼ばれてる)とか。(ザフィーラとシャマルさんは、まあ、ほら、ねえ?)
ほとんど「魔法少女もの」としては、ありえないポイントで感動してます。
あと、音楽が意外にいい。戦闘シーンというか戦闘に入る前、ボルテージが高まっていくように旋律が駆けめぐるのがほとんど快感。これは演出の勝利でもあると思う。「A's」第一話で、ボロボロに痛めつけられたなのはの前に、フェイトが駆けつけるシーンなど、素晴らしかった。
何曲か、ちゃんとオーケストレーションしたらすごい燃えると思うが、いかがなものか。
見た目が「萌え」っぽいので誤解されそうな印象ではありますが、実に燃えるアニメでした。
さて。
描いてみたシグナムですが、アニメを一時停止させて細部を確認して描いてはみたものの・・・。完成してJPEG化してから改めてアニメを見返すと、まあ、違うこと違うこと・・・。この瞳が描けた段階でほとんど満足してしまったので、手甲、インナーの襟(えり)、レヴァンティンの鍔(つば)、スライドカバーの位置など大間違いです。コミックス版ちゃんと持ってるのに、活かせませんでした。設定資料集、ほしかったなあ・・・。いや、持ってても結局は自分勝手な設定で描いたと思いますけど。