リリアン女学園学園祭の舞台裏。
蓉子は聖と一緒に、瞳子の舞台へ急ぐ祐巳を見送ったあと、すこしだけ祥子との時間をとる。
おそらく今回は、蓉子が祥子をけしかけたり諭したりなどしたわけではなく、祐巳の修学旅行中などにずっと考えていた祥子の意見を確かめあうような形だったのではないだろうか。あるいは、祥子の言葉にただ頷いただけかもしれない。
心を決めた祥子の遠ざかる後姿に、安心の証にしては少し長すぎる溜息をつく蓉子。
「寂しい?」
聖のそんな問いに、蓉子はただこう答える。
「私はもう『紅薔薇さま』じゃないから……」
まつりのあと
a fete's after
(2004.12.19)
「特別でないただの一日」にあったかもしれないワンシーンと、リクエストをいただいた「寂しそうな姿」の蓉子さまを描きました。
上述のテキストは、リクエストの張本人でもあるサンフェイスさんの日記より。前後の説明や句読点・改行の加減、文語表現への変更などして原文とはやや変わっています。
何でも完璧な紅薔薇さま、でももしそうでなくなったとしたら
それでも私の存在を必要としてくれる誰かがいるのかしら……。
そんなイメージで。
ニュアンスとしては「誰か私を見て!」ではなく
「でも……そう、これでいいのよね」という諦念が入った感じです。
とのこと。
順序としては、リクエスト → より具体的な日記 → それをもとに「マリみてお絵描き掲示板」に投稿した絵(あのときは、ごく大雑把な線画で失礼しました)という流れで。この絵は下にある掲示板バージョンの直しですね。
(お絵描き掲示板バージョン)
なんで裸なのかと思った方も多いと思いますが、そもそも肩がはだけてるのは私服が思いつかなかったからであり、リリアン女学園卒の19歳の大学生がどんな私服を着るのか、しかも蓉子さまの制服以外の服っていうともうパーティドレスと喪服とビジネススーツくらいしか思いつかなかったのと(全部既出ですが)、いざ描いてみたらやはり原作での明確な描写がないこと、そして何より、このシーンが非常に心情的なシーンであることから、結局ヌードが一番しっくりくると判断してのことでした。
ところで、蓉子さまはアニメでもけっこう髪が長めに描かれてましたが、わたし的にはこれくらいバッサリいってる印象がありますけどどうでしょう。