それは、死ぬより不快な運命。

死人のような顔色、目をこすりすぎてボロボロになった目元、悔しさと苦痛に引き結んだくちびる。

普通の少女であれば、決して他人には見せない顔。
 

しかし、

彼女は、何も語らない。
彼女は、何も見せない。

苦しみながら、自己犠牲という姿勢に、依存している。
 

以前から思っていたのですが、ちゃんとした佐祐理さんの絵は、おいそれとかけません。
いつも「あははーっ」と笑う顔の下に、無理にひねりつぶしてきた自分の辛さがあるように思えるのです。
佐祐理さん、というキャラを描くとき、それを追求すると、やはり辛そうな表情になります。
それを、一枚、描いてみました。

わたしの中の佐祐理さんのイメージはこれです。

これを一枚描いておかないと、楽しそうな佐祐理さんの笑顔は、描いてはいけないような気がしていました。

弟が死んだのは、彼女がまだ小さかった頃、小学生くらいでしょう。
ですから、この年齢というのはおかしいのですが、そのころの、弟を失った佐祐理さんも、こんな顔をしたのではないかと思います。 
 
 

製作環境：PowerMac G4 450・WACOM FAVO・Painter4.0

本作は、がねさんが取った90000ヒットのリクエストでもある、佐祐理さんの絵を、ちゃんと描くための秀作となりました。

ちなみに、英題は MOON.RENEWAL のサブタイトルから。