それをおくびにも出さない、栞。 どれほどの無理をしているのか分からないが、明るく生活している彼女を見るにつけ、 不治の病という事実が、まるで悪い冗談のように思える。 (2000.10.09 mon)
栞の意味
栞。 彼女の名前である。
栞とは、そこを通った、という確かな証である。 「自分が生きてきたことを、生きて感じた想いを、自分が大事に思った人へ刻んで行きたかったんだ。」
だから彼女は、最後まで笑っていたのだ。
「そして・・・これからも・・・。すこしずつゆっくりと刻み続ける・・・。」
これは、奇跡的に病を克服した栞に捧げよう。
最後の、あゆによる奇跡は、単純にそれだけで助かったように思われるかもしれない。
香里との姉妹としての関係が元通りにならなかったとき、栞は死んでしまった。あゆが「思い出さなかった」からかもしれないが、あゆだけの力では、栞の回復は無かったと言える。
栞シナリオも、実はそれほど泣けなかった。
栞の事情は、認識するだにゾッとするような事態である。
それだけに、自分は香里の号泣にとても引かれた。 |