この二人は、友でありながら、どちらにも頼っていない。

互いが、互いのために生きようとしている。
 

(2000.10.27 fri)








笑顔であること
 

舞シナリオをクリアしたという前提で、二度目の舞シナリオをすすめると、26日の登校時に、新しい選択肢が発生する。
ここで「訊く」を選択すると、佐祐理さんのシナリオに分岐していく。
舞シナリオを支えた佐祐理さん(何故か「さん」づけだ)の過去が明らかになるのだ。
 

佐祐理さんは、人の心を照らす、笑顔を絶やさない明るいキャラクターである。
だが、その笑顔は、ただの理不尽な明るさでも、作られたキャラクターゆえでもない。

心に何の闇も傷もなく、ただ笑っているだけの、都合のいい癒し系キャラクターだと、最初は思っていた。
だが、語られなかった、過去の大きな傷が、彼女にはあったのだ。

「わたしは・・・佐祐理というこの姉は、本当に良き姉であったでしょうか」

苦悩の日々、そして舞との出会い。

今、彼女が、心から喜んで笑っているのが分かる。

乾いた笑いではない。
その内に秘めた苦悩の故に、その喜びは「舞と出会えて幸せ」という言葉は、真実なのだと思う。

彼女は、愛せる人を求めていた。
弟を、愛したいように愛せなかった恨み、その心の傷を癒すために。

だから、舞を愛することは、代償なのかもしれない。
癒されぬ傷を慰める行為なのかもしれない。
 

だが、舞なら、佐祐理さんの心を癒してくれるような気がするのだ。

普段は、佐祐理さんがいなくてはまともに社会生活できるか不安な舞である。
だが、佐祐理さんを理解すると、にわかに舞の方が頼もしく思えるときがある。
今は、この二人には、ずっといっしょにいてもらいたい。
 
 
 
 

製作環境:PowerMac G4 450・WACOM FAVO・Painter4.0・PhotoDeluxe1.0

三人で暮らす、という新生活の出発。
その最初の食事は、やはり牛丼でしょう。
そう思って、祐一が吉野屋で買ってきた牛丼を、懐かしそうにのぞき込む二人・・・という絵でした。

最初は。

ですが、舞も佐祐理さんも、私服の資料がありません。
祐一の夢想に出てくるボーダーシャツの舞と、中学生くらいの頃の、キャミソールショルダーのワンピースを着た佐祐理さんでも良いのですが、どうも気分が乗らなかったのです。

というか、制服以外を着せてこの二人に見えるかという自信がなかった、とも言えるでしょう。
そんなわけで制服にしました。

ですが、今度は、制服サイドビューの資料が皆無!
ついでに、横顔の資料も無し!

ここまで描くのに苦労しました。
 
 

制服と言えば、あるHPで論じられていましたが、真冬のさなかに、アレ一枚というのは、正直しんじがたいものがあります。
下着の上に、直にアレだけ。体が凍結します。

あと、私的にどうしても許せないのが、スカート丈の短さです。
短すぎます。

Kanonは素晴らしいゲームだとは思いますが、あのスカート丈だけは、許せません。

現実にあったら、女生徒は身動き一つ出来ないでしょう。

こんなスカートで、正座して、あるいは椅子に腰掛けて食事などしたら大変なことになります。
祐一は、お弁当を食べるとき、さぞ目のやり場に困ったことでしょう。
 
 

余談ばかりで申し訳ないですが、お弁当と言えば、当初は、お弁当を食べる二人を描こうと、こんなシーンを考えていました。

「佐祐理・・・。このウインナー、タコさんじゃない。」
「あははーっ たぶん舞には分からないと思うけど」
「・・・?」

そのウインナーは、エヴァ量産機のかたちに切ってあった。

とゆーこのネタは、西川魯介先生にやられてしまったので、あきらめました。


 
 
 

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