めがね
flame
(2001.02.14 wed)
「舞、この指、何本に見える?」 佐祐理が片手の指を全部ひろげてみせた。 「・・・・」 ぎゅーっと眉根を寄せて、舞が目を細める。 「・・・6本」 「おい」 祐一が後ろから、チョップで突っ込んだ。 「めがね作ろうよ、舞・・・」
舞は、視力があまりよろしくなかった。
佐祐理の薦めでつくっためがねは、ツーポイントのリムレス。形状記憶合金製なので曲げにも強い。
ある人物に語らせると、めがねによって女性は美しくなるそうである。
めがねのフレームによる拘束が女顔の造作に異化効果をもたらす。そして柔肌と硬質なフレームによる調和は、至上の美だという話である。 「褒むべきかな、めがねっ娘! 幸いなるかな、めがねっ娘ーっ!」
「うわ、舞。なんか変なジュース(亀ソーダ)持った人が叫んでるよ」
またある人はこう言う。
むしろ、道を歩いていた男女がぶつかり、男がかけていためがねが外れ、ぐうぜん、女の子の顔にかかる。 「これで美人になるというパターンこそ、本来の姿ではないのですか!?」
「一分の一のセイラさんフィギュア(めがね着用)を抱えた男が、なにか言ってるな」
そしてまたある人物は、こうも言う。 「ずりおちぎみで上目づかい」が、なんともいえない。 温かい部屋に入り、めがねがくもってちょっとあわてる君が好き。 めがね同士がキスするとき、唇より先にめがねがカチッと触れあってしまい「・・・あっ」と女の子が照れる。 この「・・・あっ」がたまらねぇんだ! そして 「おまえ、めがねかけたまま寝るのか?」 「うん、だって・・・夢の中であなたの顔がぼやけたらいやだから・・・」
萌えるぜこんちくしょう!
だが、現実世界のめがねっ娘は少ない。その原因は、コンタクトレンズにある。 「したがって、コンタクトレンズは、人類に災いをなす悪魔の発明品である! 」
男が演台を叩いて力説する。
駅前に集まる一団を見ながら、舞はそのとき、めがねだけは辞めようと決意した。
だが、たまに、眠るときにもしているようだ。
KAZZさんが、どこかのHPにのっていた「めがね名雪」を一目見るなり「今月の壁紙大賞決定・・・」とつぶやいていたので、後日「めがね舞は?」と聞いてみたら面白いように釣れたので、描いてみました。
製作環境:PowerMac G4 450・WACOM FAVO・Painter4.0・PhotoDeluxe1.0 めがねの舞、といえば本編中では、祐一の夢想の中で出てきます。
色の統一感のためにセピアのフィルターをかけて色調を整えてあります。
舞が読んでる本は、ミッフィの物語で、とくに意味はありません。
かわすみっふぃ こういうキャラクターを考えていたので、なんとなく。まあ、ほら、ウサギだし。 本文中に出ててきた「ある人物」に関しては「屈折リーベ」「濃爆オタク先生」「妄想戦士ヤマモト」を参考のこと。
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