永遠の胸

sacrifice

(980719holy)




〜 さあ、還ろう。戦士が帰還する場所は、常に生命のみなもとだ。〜

スフォルツェンドを、世界を護ろうとするリュートの気持ちをいったい誰がわかっていただろうか。

リュートが助けてくれるときは、みな喜んで集まってくる。
しかし、本当に彼の気持ちを分かろうとするものはいなかった。

魔族があらわれる度に、走り回っていた彼は、誰かと、その苦労を分かち合いたかっただろう。
スフォルツェンドを護ること、世界を護ることの大切さを、彼と同じレベルで、母以外の誰かにわかって欲しかったし、支えてほしかった。

リュート様万歳、人類の守護闘神万歳

しかし、リュートとともに生きようとする友はいなかった。
彼の気持ちを分かろうとするものはいなかった。
魔族の手にかかったとき、ともに死のうとした人はいなかった。

寂しく、孤独で、みじめな死。
それは彼が、人類を愛したがゆえの孤独。
愛されるものは喜びをえるが、いつも愛するものは孤独である。
これほどの行為に対して、なんと愛は不条理なものなのだろう。



原作者の人柄から考えて、おそらくハッピーエンドで、この物語は終わるでしょう。
そして、何らかの形で、リュートは蘇るとおもいます。

ですがここでは敢えて、息子の姿をした冥法王を、自ら討ったホルンを描いてみました。

おそらくこのような悲劇的な終わり方はしますまい。
しかし、当のホルンは、このことくらい既に覚悟していることでしょう。

描き終わってふと、この絵が、人類が魔族に破れ、ホルンとリュートがベースによって、水晶に縛される絵、ともとれるなと思いました。そして魔族の支配成った世界において、魔族の王宮に飾られていることでしょう。(ぞっとしますね)

いくらでも解釈はできます。
厳然として動かないのは、このリュートは死んでいるということだけです。



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