サイザーの魂と肉体は取り戻され、仲間の手によって復活はなされた。
しかし、その記憶、声、そして心はもどらず、ただ幼女のような無邪気さがよみがえった。
ハーメルのこともフルートのことも、わからない。
戦うこともできない。
ライエルにすら警戒し、近づこうとはしない。
ただ、オカリナにだけ心をゆるし、娘のようになついている。
生え変わった白い羽根は、赤児の頃のようにちいさい。
一個人の受難にしては、あまりに過度な試練の連続。このうえ復活がなされたなら、その時こそサイザーの受ける自責の苦痛は、耐え難いものになるだろう。この状況で心を閉ざしてしまうことを、誰が責められるだろうか。心には願えども、誰が気安く「もとに戻ってください」などと本人に言えるだろうか。
サイザーはパーティーから脱落し、オカリナもそれに付いた。魔族の干渉の少ない、南の地で彼女は生きる。偽りで、かりそめで、閉じた人生を...。
Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe1.0・WacomArtPad2
うっわー、暗いい〜。
どう考えてもすんなり仲間のもとへは帰れないような気がして、思いあまってこんな設定を描いてしまいました。キャッツアイやらでも使われていたオチですね。でもモトネタはベルセルクだったりします。
描きはじめは、「お話が終わった数年後、離ればなれになっていたライエルが、サイザーと再会する」とゆーシチュエーションで、画面の右にライエルの後姿をピンボケで入れようかと思ってました。
サイザーがやや大人びて描かれているのは、そういうわけです。
「北の都から遠く離れた南の島で、ライエルは、美しく成長した天使と再会した....。」
うーん、こういうのも捨てがたいんだけどなあ。
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