nail care 
 
つめのお手入れ

nail care

(980727mon)




足の爪がのびてきた。

だがハーメルンの世界に爪切りは無い。しばらく思案してサイザーは、いつもの大ガマをもちだした。

「く、くくく...」

「サイザー樣!」

ひとふりで何百人もの人間を切り裂く大ガマで、不器用に足の爪を切ろうとしているサイザーを、オカリナがあわててとめた。

コミックス18巻、廃虚となった村の教会で、負傷したサイザーの手当てをしながら、オカリナはこう呟きます。

「サイザー樣はだらしないんだから...」

このセリフを受けて考えたのは、おそらくサイザーは、自分で髪もとかなければ、爪の手入れもしないのではないか、ということでした。

元来、偉そうな人はこうして寝そべったままで、侍女や侍従に爪の手入れをさせるという幻想が、私にはあります。(某グリーンウッドでも、そんなのがあった)

おりしも、「オカリナとサイザーを描いてください」とゆーリクエストもあり、「ただのツーショットでは面白く無いな」と思っていた矢先なので、こうして応えてみました。

寝ぐせだらけの、ぼさぼさの頭で起きてくるサイザーの身だしなみをととのえてあげるのは、やはりオカリナだったでしょうし、もしかすると、最近まで靴下を履かせてあげていたかも知れません(笑...でもファンには怒られそう)。不器用で、美人ではありますが、それをあまり意識していない様子のサイザーです。こうやって、オカリナが甲斐甲斐しくお世話していたのかも知れませんね。(鳥の姿のままだったら、わかりませんが)



Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe1.0・WacomArtPad2

この絵に描かれている長椅子は、洋書 " Understanding Antiques " という本にのっていた1810年作のものです。サイザーが寝そべるのは、最初はベッドか何かでいいかとおもっていましたが、見るからに豪奢で人物に負けない「映え」を持っていたのでこれにしました。小道具や背景に気をつかうだけで、絵がぜんぜん違って見えますから、不思議です。
ちなみに今回のメインは容赦のない作画サイズ画像です。モニターの小さい人には辛いかも。





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