足の爪がのびてきた。 だがハーメルンの世界に爪切りは無い。しばらく思案してサイザーは、いつもの大ガマをもちだした。 「く、くくく...」 「サイザー樣!」 ひとふりで何百人もの人間を切り裂く大ガマで、不器用に足の爪を切ろうとしているサイザーを、オカリナがあわててとめた。 コミックス18巻、廃虚となった村の教会で、負傷したサイザーの手当てをしながら、オカリナはこう呟きます。 「サイザー樣はだらしないんだから...」 このセリフを受けて考えたのは、おそらくサイザーは、自分で髪もとかなければ、爪の手入れもしないのではないか、ということでした。 元来、偉そうな人はこうして寝そべったままで、侍女や侍従に爪の手入れをさせるという幻想が、私にはあります。(某グリーンウッドでも、そんなのがあった) おりしも、「オカリナとサイザーを描いてください」とゆーリクエストもあり、「ただのツーショットでは面白く無いな」と思っていた矢先なので、こうして応えてみました。 寝ぐせだらけの、ぼさぼさの頭で起きてくるサイザーの身だしなみをととのえてあげるのは、やはりオカリナだったでしょうし、もしかすると、最近まで靴下を履かせてあげていたかも知れません(笑...でもファンには怒られそう)。不器用で、美人ではありますが、それをあまり意識していない様子のサイザーです。こうやって、オカリナが甲斐甲斐しくお世話していたのかも知れませんね。(鳥の姿のままだったら、わかりませんが)
Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe1.0・WacomArtPad2 この絵に描かれている長椅子は、洋書 " Understanding Antiques
" という本にのっていた1810年作のものです。サイザーが寝そべるのは、最初はベッドか何かでいいかとおもっていましたが、見るからに豪奢で人物に負けない「映え」を持っていたのでこれにしました。小道具や背景に気をつかうだけで、絵がぜんぜん違って見えますから、不思議です。
|