静かに、
その端正な顔に、
涙が流れる。
憎んで、
恨んで、
何度も拳を叩きつけた。
それでも、
涙が流れる。
嫌われること以上に、辛いことがある。
それは、なんの反応も受けられないことだ。
いっそ怒ってくれた方が、いっそ憎んでくれた方が、どれほど救われるか分からない。
怒りも、憎しみも、憤りも、叩きつけた感情が全て自分に返ってきて、心を傷めさす。
つらい。
つらい。
それでも、すがるように水晶に抱きつくしかない。
涙を流している表情を描いておきたかった。
私がサイザーにひかれたのは、そのクールで凛々しいイメージのなかに見える、辛そうな表情だった。
スラーを滅ぼしたときの表情、氷縛の母を慕う切なげな顔である。
今までは、全身像など、天使の羽根をもった姿を、多く描いてきたのだが、私にとってのサイザーの魅力は、突き詰めたところ、その表情である。これを描いて、ようやく気がついた。
ところで、この絵は、ガンガンネットに投稿してある。
自分の大好きなガンガンのキャラクター、というお題なのだ。これはもう、サイザーしかあるまい。
もしこれを逃し、次のお題が「あなたの好きな「男性」キャラクター」だったら、パプアくんのアラシヤマでも、描けというのか。
しかし、たぶんエニックスとしては、ガンガンネットの方向性として、もっとこう少年漫画的な、爽やかな絵を飾りたいのだろうと思う。こんなのもらっても、嫌だろうなあ。
「復活」あたりを「サイザーです」ときっちり明記して投稿したら、没にされるだろうか。
元ネタはガンダムZZなのですが、分かる人は、萌えたことのある人ですね。
Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe1.0・WacomArtPad2
例によって歪みブラシ(質感)で、髪の毛を梳(と)かし、エアブラシ(細)をさらに細くして、一本一本の髪を描き込みます。
表情はわずかですが、その内心の乱れを表すため、少々多めに髪の線を入れました。
できた絵は、スッキリしすぎていたので、フローターにし、水彩で斜めの陰影を入れます。水彩のタッチが残るので、それをぼかし、モーションプラーで自然にします。出崎統風にしようかと思いましたが、そんな勇気はありませんでした。(あれは信念がないと難しいぜ)
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