酔うような幸福、夫のたしかな感触、肩にそえられた掌、野にあそぶこどもたち・・・。ありえたとすれば、ほんの短い間の、家族の生活。

まだ娘のように若い母親が、一体どんな未来を夢見ていただろう。

水晶の中で、彼女は夢を見続けている。
その心にうつるのは、苦しむこどもたちの姿か、再会を信じた夫のまなざしか、それとも・・・。



制作環境：Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe・WacomArtPad2

幸せな絵を描こうと思って描くのですが、この絵は描きすすむにつれ、その後の悲劇がどんどんみえてくるのです。幸せそうに描けばかくほど、悲しい絵になっていってしまうという、なんだか辛い絵になってしまいました。原作の展開を知らないひとは、きっとありふれた構図の幸せそうな絵だと思うのでしょうね。

この絵は、とても辛くて、悲しい絵なのです。

とても恨み深い絵なのです。

描かれているものが、幸せそうであればあるほど。