オカリナが楽しみにしていた、お祭りの日が来た。 不意に、ぐいっとサイザーに脇を持ち上げられた。 サイザーは、夫の頭にかぶりついて、祭りの景色に目を奪われている娘の背中を見上げた。
オカリナは、天使の四世だ。大魔王の三世でもある。 すぐに飛べるようになるわ。 ひょこひょこと落ち着きなく動くオカリナの羽根を見ながら、サイザーがつぶやく。その口調には自信がこもっていた。 彼女に空の飛び方を教えたのは、在りし日のオカリナだったから。 すみません。別でまた、ちゃんと「高い高い」描こうと思ってましたけど、最近あきらめました。ああああ。
それはともかく「なんとなく」から軌道修正しなかったのは、この一家の絵を、ちゃんと描いておきたかったからです。前作の「ちいさな花」ではライエル無視されてましたからね。
最初こまったのはライエルとサイザーの服の色でした。もうワンパターンなのですが、ライエルのパーソナルカラーはグリーン、サイザーは赤です。でもそれをモロに描くと、この絵の雰囲気ではなくなってしまうのです。そんなわけでこれもワンパですが水彩で薄茶を被せました。色が誤魔化せたところで、全体のトーンも薄茶で統一します。 この世界は、魔族との最後の決戦から、10年後のさらに数年後です。いちおうオカリナ8才くらいにみえるので18年後ですか。 ライエルを描くのは、いったいいつ以来でしょう・・・。結婚して子供もできて、たくましく成長したパパとして描いてみました。ピアノ弾きだからでもありませんが、彼の手は意図的に大きく描いています。腕もたくましく。 サイザーは、幸せの中ですっかり落ち着いた雰囲気を。怒るとそれはもうはいあの恐いのですが普段はキレイで優しいお母さんです。 オカリナは、ボーイッシュになってしまいましたが、これはこれでまあ善し。ああ、でもこの子は学校で、羽根のことでいじめられたり、お母さんの悪口言われて、泣きながらケンカしそうな気がします。でも戦闘能力が母親譲りなので、かるく撫でただけでも相手は半死か。 ハーメルんとこの、強烈ないとこ連中に可愛がられて、あとワルキューレに色々吹き込まれながら育つのでしょうね。
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