憂悶する悪魔の御子

king of horned demons

(2000.10.27 fri)








人は何にために生きるのか。
魔は何のために生きるのか。

人も魔も、その答えを知らぬまま生き、求めども得られぬまま、死んでいく。

知らぬままでも、生きていくことは出来る。
そうあきらめて、その日その日を、誰もが流されていく。

だが、ここに一人の男がいる。

彼は、その答えを見つけなければならない。
彼自身が、どちらの道を生きるか、決めるために。



仲間のために、人類のために、魔となることを選んだハーメル。
フルートとの別離は、自分のもう一つの道との決別でもあった。

ガンガン2000年11月号にて、ようやくハーメルの決意が分かります。
真に魔族化したその姿は、絵的に、どうもいただけないのですが、これがきっかけで、もう一枚、ハーメルを描いておきたくなりました。



自分は人か、魔か。
先の「咆吼する悪魔の喉」とは違い、悩むハーメルの姿です。
正面から吹く風は、これからの試練多き未来を、複雑にからみ、のびる後ろ髪は、辛苦に満ちた事情と心情の過去を、象徴しています。

「咆吼する悪魔の喉」では、適当に描きましたが、人間として自然な肉体の方が、彼の宿命を際立たせるような気がしたので、今回の身体は、とにかくリアルに描きました。

雑誌に載っていたダンサーの肉体をモデルにしています。乳首にいたるまで描いてますが、そっちに気を取られていて、ハーメルにぜんぜん見えないあたりが失敗ですね。
角も、原作やアニメとすら全然ちがいます。これでハーメルだと分かってくれる人は、一見さんでは、ほとんどいないでしょう。

原作の設定では、少年と呼ぶべき年齢で、体つきもわりと細身だったと思うのですが、このハーメル、描いてるうちにドンドンいいカラダになってしまい、風格じみたものまで出てしまいました。
ハーメルに見えないことに気がついたのは、ほとんど完成してからだったので、もう手遅れです。ああ。うう。




製作環境:PowerMac G4 450・WACOM FAVO・Painter4.0・PhotoDeluxe1.0

髪は、ペインターの「荒毛ブラシ」で。同時に何本もの細い線が描けるので、こういう描写には効果的です。
「咆吼する悪魔の喉」と同様に赤を基調に描きました。前回の反省をふまえて、背景は真っ黒でなく、赤を沈ませた茶色に。
アニメのイメージでしょうか、ハーメルには、どうしても赤を合わせたくなります。




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