生命という名の盾

boundlessly noble

(990522sat)





この手に溜めた疾風と魔力を、解き放ったら、
これで全てが、これで何もかもが、終わってしまう。

謝りたかったことも、愛していることも、
なにも打ち明けられないままに。

オカリナについて語るべきことは、もう、ない。
最後に鳳凰千破を放ったとき、絶望感に打ちのめされたサイザーの盾となったとき、オカリナの心にどんな思いが去来しただろう。

オカリナは、その心情においてサイザーの母であり、生命を投げ出すことを、わずかも厭わなかった。
オカリナは、サイザーを救うこと以外、なにも心になかったのだ。

迷いを解いた姿は、もう神である。

以前に描いたオカリナとは違って、この絵は、神々しく描いてみたかった。
最後の鳳凰千破を放つ瞬間、一切の迷いのない瞬間である。
でも、そういった表情は難しい。この絵では、表現しきれていない。



制作環境:Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe・WacomArtPad2

原作のこのシーンで、オカリナは全身に傷を負い、血をにじませ、ボロボロの状態です。
凄絶な絵として仕上げる方法もありましたが、その内面において、彼女はこのとき、輝かしいほどの魂の高みにあると考えます。やはり、その方向で描きたいではないですか。

絵を仕上げるときのコンセプトは「宝石でできた乙女」(FFSのジュノーンだね)。オカリナのコスチュームは、布地の構成が派手なわりに色が地味なので、思い切って白と金を基調にしてみました。
ストラップレスのブラの資料がないので、毎回こまります。チョーカー同様、適当にアレンジしました。

光っている感じを出す手法として、オーバーレイ合成という方法があります。普通に描いた絵をコピーして、同じ絵に重ねてオーバーレイ合成すると、絵が光ってみえます。合成した方の透明度を調節してやれば、光り具合も自由にできます。
背景などの効果線は、格子状のテクスチャにチョークで描くことで、簡単に出せました。

それにしても、女性のワキの絵って、むつかしいなあ。肩まわりの肉付きも難しい。
オカリナの絵を描くときって、いつも「すげーかっこだなあ」と思わざるをえません。
エプロン状のドシフンのような前掛けは、描くときいっっっっつも邪魔でじゃまで仕方がありません。仕方なく、今回もめくってあります。
案内の下に、全身像を。



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