ファンの誰もが待ち望んでいるであろう、心からの笑顔。

しかし、たとえサイザーが天使として復活したとしても、彼女は今のままでは、こんな笑顔はできない。

殺戮の日々を償うといい、自分の過去を映したヴォーカルに、負けたばかりか命まで奪われ、その上フルートやオカリナまで斬ってしまった。

そして今また、救出に向かうライエルたちとも戦おうとしている。彼らも、ただではすむまい。
たとえ、復活したとして、みんなが迎えてくれたとして、しかし、サイザ−自身は、いったいどのツラさげて帰れると言うのだ。

サイザーは、まだ（少なくとも彼女自身の）満足できる償いを果たしていない。
サイザーほど、気高く、かつ不器用な人が、心からの笑顔で、堂々と仲間の所へ帰ることは、本当にできるのだろうか。

もしかすると、作者はサイザーを普通に帰還させるつもりは、ないのかもしれない。

さて、サイザー泣きながら仲間のもとへいくわけですが、いったい誰のもとへ一番に飛び込むでしょう。

候補

オカリナ
ハーメル
フルート
かなり有力なライエル
対抗馬としてリュート
復活していたらパンドラ樣
何の伏線もなく突然あらわれたオリンじいさん

「おまえ、パンドラの娘じゃろ？　一目でわかったわい...こら、ライエル、首を絞めるな。リュート、なんじゃそのでかい魔法陣は。ハーメル、バイオリンの武器庫が全部ひらいとるぞ。とりあえず、四人まとめてわしが...（ちゅどーん）」
　
　

Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe1.0・WacomArtPad2

「原作風に描いてみよう」と出発したこの絵ですが、サイザーのこの手の表情って、難しいです。
色々と課題の残る絵ですが、気に入ってるのが空の色です。
グラデーションをかけた上に、コントラストと色を調節した空の写真を合成、めざす「夏休みの空」の色になるまで、細かい調整をしました。砂糖菓子のような入道雲を描かなかったのは、人物のカラーが映えさせるためです。

サイザーが、憂悶も、罪科の嘆きも、不安もない空を自由に飛べる日が来るように。そのための青色です。
はっきりいって、この空のために描きました。