ワルキューレを繰出し、躊躇なく戦いをしかける黒いサイザー。
トロンもオカリナもフルートも、そしてハーメルまでもが倒れた。あとは防戦一方のライエルがのこるだけである。
攻撃をかわす刹那、ライエルは誰かの声を聞いたような気がしていた。
精霊を使役するものだけが聞ける声がある。それが次第に明瞭になっていく。
大鎌のひと薙ぎをかわしたとき、ライエルにはその声が誰のものか、はっきりとわかった。
血を吐くような、生命の芯から絞り出すような音で、その声は絶叫していた。
私を殺せ!
ワルキューレの槍が、帽子をはじきとばす。
私を殺せ! ライエル!
Macintosh Performa 5440(88MB)・Painter4.0・Photodeluxe1.0・WacomArtPad2
サイザーを救う戦いがはじまったとして、誰一人、サイザーとはまともに戦えないだろう。
もとより戦闘力はパーティー最大。その上、ハーメルたちは彼女を救おうと思っている。
そして多分ライエルは、サイザーのためなら死んでもいいとくらい思っているだろう。
そこまで考えると、生半可なシチュエーションではない。この絵は、またしても重い絵だ。
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