背中に両拳と額を当てて涙を流す

(2002.12.15 holy)
(web 2002.12.20 fri)


「あまやどり」の百合彦さんからいただきました。タイトルはすみません、引用して勝手につけました。



第一巻の中盤だった。

「祥子さまが、本気で私なんか妹(スール)に選ぶはずないじゃない」

祥子様のことが好きでしょうがないのに、そう言って泣く祐巳につられて、わたしももらい泣きをしてしまったことがある。
細かくは述べなかったが「祐巳に感情移入して泣いてる」ということを、「マリみて」を読むきっかけとなった「あまやどり」の百合彦さんにメールで話したことがある。それを憶えていてくださったのだろうか。初めてお会いしたときに、こんな絵をいただいた。

スキャナーで取り込んだ画像ではよくわからないが、原画を眺めているとゾッとするときがある。
しょせん、男性である自分が描く「マリみて」の世界というのは、女性のそれに比べて一枚の壁、越えがたい距離感をある。女性が、おそらくは自然に感覚的にわかっている心情世界を、男性が理解するためには「学習」が必要だからだ。

「マリア様がみてる」の世界は、学園ものとしては設定が特殊で、同じ生活を通過した人は少ないだろう。その点は、想像し、妄想するしかない。これは男女とも同じだ。

だが、それでもこの絵には、自分が塀の向こうからリリアン女学園を覗いているような、そんな越えがたい壁を感じる。







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