「銀色の海」 




翼人の転生を受けるという、とんでもない宿命と戦った観鈴。

晴子は娘を支えた。
しかし晴子は最後まで、観鈴の宿命の内容を知ることは、できなかった。

わけも分からないうちに、愛する者を奪われた強烈な痛み。
観鈴を失った後は、秋になった頃の落ち着いた晴子が描かれているが、それまでの悲嘆に狂乱したであろう日々があったことは、容易に想像できる。
 

空から降った羽根。

そして、水から上がれないでいる晴子。
 

今は、今だけは、泣くことしかできない。
 

(2001.10.15 mon)



 
 
 
 
 

DC版AIRクリア後、鬼束ちひろの「月光」ききながら描いた絵です。歌詞は関係ないのですが、こめられた情感が少しだけ似ています。

タイトル「銀色の海」は曲の方の「銀色」もモチーフになっています。
「青空」の歌詞にもありますがAIRの中での「銀色に光る水面」は死者の世界という説があります。
そこに写る二人分の影。一人は自分、そしてもう一人はたぶん観鈴。
それを我知らず追って、海に入る晴子。しかし、観鈴はすでに空にいることを示すように、羽根がおちてくる・・・そんな感じです。
 

私の中に残った晴子の未練は、まさにこの形でした。思うまま描いて、思った以上の内容ができた不思議な絵です。上記の解説も、あとから適当に書いています。

海に浸る晴子、陸に降り落ちた羽根、なにか象徴的な意味があるのでしょうか。私にも、潜在的なところはわかりません。
 

晴子の姿は、人魚をモチーフに描いたのですが、それはほんの調味料です。
 
 

 DC版AIRの感想

DC版のAIRをスタートした頃は、声があると言うことで最初は違和感があったものの、徐々になれてきた。
その後のストーリーを知っている気負いからか、キャラクターに過度の期待を寄せてしまっていたのだと思う。

観鈴も、佳乃も、美凪も、こういう声の少女なのだと思うと、すっと気持ちがゲームにつながる。
最終的には、この声しかない、とまで納得できるようになった。

一番台詞が多いからだと思うが、晴子さんなど、やはり久川綾さんしかいないように思える。
彼女のクライマックスの演技は、何が起こるか完璧に把握していても、涙が喉まで伝うほど感動的だった。
もっとも、細かい演技までチェックしている余裕もないほど泣いてしまったので、確証はないが。

まったく声優さんの演技というのはすごい。

メインのヒロインは、比較的若手が担当しているが、脇を固めるあたりに、井上喜久子さん以前のベテラン声優が多数起用されているため、世界観は、とても重厚な仕上がりになっている。
ベテランの演技力というものは、日本語をもつ国の宝だ。
 

世界観と言えば、神奈の声を演じた西村ちなみは、2代目おじゃる丸だ。「まろ」が「余」になっただけ・・・ではないが、世界観が共通な分、妙なキャリアを感じる。

ポテトも「ぴこ」だけで見事に感情を表現している。大谷育江が「ピカチュウ」もしくは「ピカ」だけでピカチュウの全ての感情を表現したのも見事だったが、これらは日本の技術と言えるだろう。神谷明のパピプペ語指導にも通じる。

佳乃の元気すぎる声だけは、ちょっといただけなかったが、おおよそDC版AIRに、問題はないようである。
 


 
 
 
 













 

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